目には見えないけれど、この世界に確実に存在する何かを追い求め、
自分なりの方法で形あるものにしていく活動、それがアートだと信じているハイクロス。
映像というジャンルで、日々、模索を続けている私たちですが・・・、

おすすめのドキュメンタリー映像が、あります。
”Tuning 2 you (チューニング トゥー ユー）”と名付けられた音楽プロジェクト。
インド全土に眠る「音楽」を探して旅を続ける、ロードムービーです。

インドの伝統楽器サロードの奏者で、
イギリスロンドンを拠点に世界の舞台で活躍するミュージシャン、
ショーミック・ダッタ。

彼と、映像作家で兄であるショービット・ダッタの二人の兄弟が、
生まれ故郷であるインドの小さな村々を訪ね歩き、
ひっそりと伝え残る伝統音楽や、祭事や祝いの席で奏でられる曲、
そしてそれらを引き奏でる名もなき演奏者たちを訪ね歩きます。
世界でもてはやされるロックやジャズも素敵だけれど、
暮らしの中に埋もれ、誰も見向きもしないようなフォークソングに2人は胸を打たれ、
時にはショーミック自身も村人たちと音を合わせ、交わります。
本気で感じ聞けば、どこか懐かしく、民族や宗教の違いを超えて
誰の心や体にもジワっと染み入る音楽・・・。
そういう音を拾い集める2人の男の、冒険。

一生をかけた彼らの挑戦が、今、まさに始まったところなのです。

ハイクロスとショーミックとの出会いは、
WOWOWノンフィクションWで４月に放送したハイクロス制作ドキュメンタリー
『シェルカウイ 踊りで世界を救う、41日の闘い』でのこと。
その取材中にショーミック本人から、
この” Tuning 2 you”のプロジェクトを聞かされました。
最初はまだまだ構想だけだったけれど、確実に目に見える形で、
シリーズ化の第一歩を踏み出している彼らに、尊敬の念を抱くとともに、
私たちももっともっと、映像という武器で目には見えないものを形にしていく挑戦を
続けていかなければ！と、背中を押される気持ちになっています。

ハイクロスは”Tuning 2 you “をサポート、応援しています。（李）
https://www.kickstarter.com/projects/162498392/tuning-2-you-lost-musicians-of-india

アジアで過去３ヶ月の間に10万人を動員したという、
世界初のパンダが主人公の国際アート展が、日本初上陸！

というので、オープニングパーティーに行ってきました。
2010年にNHKハイビジョンで放送した
『終わりなきファイト！”伝説のボクサー”カシアス内藤』や
そのほか、様々な撮影でハイクロスがタッグを組んだ
制作会社ドラゴンフィルムズが共催するイベントです。

氷河期を超えて800万年も生き残ってきた”生きた化石”パンダは、
日々環境劣化と戦う現代の地球において、
自然保護の象徴的な存在になっているんですね。

そんなパンダを様々なアーティスト達が、ユニークな形で見つめた作品が
たくさん並んでいました。

中国の成都と日本を行ったり来たりしながら
パワフルに映像の仕事を続ける張雲暉プロデューサーとも
久々に嬉しい再会。
張さんは、成都のパンダ基地に暮らすパンダ達の成長記録を日々撮影、公開する傍ら、
パンダの映画『51（ウーイー）世界で一番小さく生まれたパンダ』
も作っちゃったすごい人ですが、
今回のパンダ展期間中、7/2(土）には、中国の成都と中継を結び
日本ではなかなか見られない可愛らしいパンダの素顔を、
じっくり見られるイベントも決行するそうです。

なんと入場無料ですし、ぜひ、足を運んでみては？？

パンダ大好きのハイクロス係長、あきと君ももちろん見に行きます！

ハイクロスが撮影技術全般を担当している番組

『フランケンシュタインの誘惑　汚れた金メダル 国家ドーピング計画』

いよいよ今晩21時より、NHK BSプレミアムにて放送です！

ドーピングは過去の問題ではなく、リオオリンピックにおいても

ロシアのオリンピック参加制限など、昨今もメデイアを賑わしている

まさに現在進行形の問題でもあります。

この番組では、ドーピングをただ犯罪として描くのではなく、

なぜそれが起きたのか、どうして止められなかったのか、

まさに人間につきまとう、進歩への誘惑、勝利への誘惑についての

本質的な欲望について考察を重ねています。

フランケンシュタイン博士が怪物を創りだしてしまったのと同じ、

私たちすべての人が秘め持つ、

いわば「人間の原罪」ともいうべき欲望について

正面から描いた番組となっています。

映像的にも色々と工夫を重ねていますので、是非ごらんください！

さて、今日はもう一つ、ハイクロス推薦の映画をご紹介します。

6/25より全国公開中の映画『日本で一番悪い奴ら』

みなさん、この映画はもうごらんになりましたか？

私が自信をもっておすすめする

ピカレスク・エンターテインメントです。

原作は北海道警察のエースとよばれた警察官の実話。

正義感と職務への忠誠がとんでもない暴走にいたる、

映画ならではの醍醐味たっぷりの作品です。

監督は白石和彌さん。若松プロ時代ご一緒したこともあり、

なにより白石監督のデビュー作

『ロストパラダイス・イン・トーキョー』の撮影を

私が担当させていただいた縁もあります。

しかし、今回この映画を紹介したかったのはそれが理由ではありません。

私が映画に求めるものは、面白さと同時に

その映画が「世の摂理」について教えてくれるものかどうかです。

正直にいって、世の中や社会のしくみについて無知な映画や

かんがえの足りない映画をみることほどうんざりすることはありません。

この映画は、コメディとしてもブラックな笑いにあふれていますが、

そのなかに人間ってこうだよな～と納得させられる描写や、

瞬間瞬間変化するこころの動きが本当に繊細に描かれています。

人間とは何か、を知り尽くした人の映画だと思いました。

絶対にみて損はない映画だと思いますので、興味ある方は是非！(T)