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『私のはなし 部落のはなし』5/21より遂に公開!
2022.05.08
5/21より渋谷ユーロスペース他で公開の映画『私のはなし 部落のはなし』。
ハイクロス創立から8年に渡って支えてくれた満若勇咲監督注目の新作長編です!
満若君が10年以上かけて思考し、考え抜いたテーマ。
全く新しい角度から捉えた「部落とは何か」の探求が結晶したドキュメンタリー、
いやがおうにも沢山の人々の興味関心を惹いているようでとても嬉しいことです。
技術の全面協力を弊社ハイクロス、撮影担当を代表・辻が務めています。
大注目作であるため、
公開前にもかかわらずテーマ的な部分では早くも多くの記事批評がでていますが、
撮影を担当した辻としては撮影方法(形式)について少し書きたいと思います。
この映画は人々が部落について対話する複数のシーンが軸となっているのですが
(映画の最初の仮題は「対話と構造」でした)、
じつは3~4人が対話する場面も全て1台のカメラで撮影しています。
これは通常の撮影ではほとんど行われないやり方です。
複数人による対話の場合、複数台のカメラで各々の表情を逃さず記録します。
テレビの対談番組などを見るにつけ、それが常道だと思われています。
しかし、この映画では対話の人が何人であろうと常に1台のカメラ、
つまり常にたった一つの視点から撮られています。
なぜか。それは、映画の「なまざし」をしっかりと確立したかったからです。
テレビのスタジオ番組以外でも、
日常生活に配信映像やオンラインミーティングが急速に浸透してきた今日、
カメラとは、人称をもたない無色透明なチューブのようなものである、
という意識が多くの人に共有されつつあるように感じます。
機械である以上、それは事実でもあります。
逆に、人が操作するカメラを「意志を持ったレンズ」などとひねって言うと、
気味悪いニュアンスさえ含んでしまうかもしれません。
しかし、ドキュメンタリーキャメラマンである私の言い方で言うと、
カメラはそれを持つひとの「まなざす力」でもあるのです。
つまり、この映画の撮影において、私はなにを「まなざす」のか。
そのまなざす方向と力にこそ、映画の主題が顕れるのだ、
と撮影という映画の「形式」を担う重責を承る私としては考えます。
この映画は、発話するひとの横顔しか写さない場面がとても多くあります。
本来、正面の顔を捉えた方が、その人の表情は分かりやすい。当たり前です。
ではなぜ、わざわざ表情をはっきり見ることが難しい横顔を撮影するのか?
私たちは、
人が話し合っているのを真剣に聞く時(自分が対話の当事者でない場合)、
その人の正面にずかずか回り込んで話を聴くでしょうか。
人の話を傾聴するとき、その人の声と情熱の向かう方向を、横からそっと、
でもじっと、強い視線でまなざすのではないでしょうか。
部落について一人の人間としてまっすぐ「まなざすこと」を
映画の形式としてビルトインすること、
それこそがこの映画の撮影を担う者がなすべき仕事である、と考えました。
ひとが真剣に操作する、生きたカメラの「まなざし」に乗って、
この映画を体感してもらえればと思います。
ぜひ、ご覧ください!(T)
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